養生訓について考えましょう① 2023.5.19
「養生訓」は正徳2年(1712年)に福岡藩の儒学者、貝原益軒によって書かれた、養生(健康、健康法)についての指南書です。益軒83歳の著作で、実体験に基づき健康法を解説した書と言われています。80過ぎまで長年実践してきた健康法を万人のために丹念に書き留めたのですからすごい労力であったと思います。
さてこの本は300年以上前の本とはいえ意外と今現代にも当てはまる大事なことが示されており、今現在においても受け継がれていることやそのまま実行しても良いことが書かれていので何回かに分けてご紹介したいと思います。まずこの書はからだについて以下のように定義づけています。
人間のからだは父母をもとにし、天地をはじまりとしたものである。天地・父母の恵みを受けて生まれ、また養われた自分のからだであるから、自分だけの所有物ではない。天地からいただいたもの、父母の残してくださったからだであるから、慎んでよく養って、痛めないようにして、天寿を長く保つべきである。これが天地・父母に仕える孝の本である。からだがなくなっては、仕えるわけにいかぬ。自分のからだに備わっているものは、小さな皮膚や髪の毛でさえ、父母から受けたものだから、むやみに痛めるのは不幸である。まして大きな声明を、自分一人のものと思って、慎まず、思うままに飲食・色欲にふけって、元気を損ない、病を求め、もって生まれた天寿をちぢめて、早く生まれてきたら、もっぱら父母・天地に考を尽くし、人倫の道を行い義理に従って、できることなら幸福になり、長生きして喜び楽しむことが、誰もが願うところではないか。こうなろうと思ったら、まず先に言った道を考え、養生の術を学んで健康を保つことである。これが人生で一番大事なことである。
両親からもらったこのからだを粗末にすることなく大切に扱わなければいけない。自分のからだを大切にすることこそが幸福になることであると。
健康=幸福 自ら実践していきたいと思います。具体的なことは次回にご期待ください。
有木一浩